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AI時代の働き方を考える

会計の仕事とAI(機械学習)の関係性について

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巷にあふれる「AI(人工知能)が淘汰すると言われる仕事一覧」というものに、会計関係の仕事って多くないですか?。

かくいう私も、会計の仕事に関わっているのでとても気になります。

 

しかし、会計の仕事って幅広いんですよね。すごく適当に書くと、

  1. (営業が顧客と契約したり、業者に発注すしたりした後に、)
  2. 伝票を起こす:請求する・請求される。1の契約内容によって仕訳が変わります。
  3. 財務諸表を作る:引当金計上したり、税効果計上したり、税金計算したり色々します。
  4. 会計監査を受ける:すべての処理が会計基準を満たしていると解釈できるようにします。
  5. 世の中にお伝えする:決算短信や有報で開示します。開示をする目的は、世の中から投資を集めるためですから、見栄えよく伝える必要があります(嘘にならない範囲で)。お金を貸してくれる銀行や、証券会社、格付会社からもとても細かい質問を受けるようです。
  6. 不備(不正を含む)がないかを確認する:もしあったら再発しないような手段を講じます。

このほかに、「管理会計」があります(順番はこっちが先かも)。

  1. 経営計画(予算)を策定する
  2. 予実進捗を見る
  3. 進捗が悪ければ、計画を達成するよう対策を講じる

そして、会計と異なるルールで集計をしなければならない「税務」もあります。税金っ毎年微妙にルールが変わります(税制改正)。

さらに、子会社が沢山あるといろいろな業態のビジネスを把握しないといけませんし、連結の財務諸表を作るための更なるルールを抑える必要があります。

 ビジネスの結果は最終的に、会計(と税務)の言語で記述しなければなりません(この記述ルールもしばしば変わります)。

 

会計って、端から見ているほどルーチンな仕事ではないのかもしれませんよ?。

 

そんな中、読んだ記事。

 

logmi.jp

 

自動化による業務イノベーションという意味だと、経理の仕事をどんどん機械学習で自動化しています。例えば、売上入力は、今は機械学習のほうが精度が高い。精度が高くなるように経理の連中はデータを入れてないといけない。それはパッと見、自分の首を締めているように見えるかもしれませんが、こうすることで彼らはAIにできない仕事に集中できるようになるんですね。 

 

一見、経理業務を全自動化してそうな記載ですよね。すごくないですか?。どうやっているのか知りたくないですか!?

 

 

さて、仮にですが、あなたがこの記事を読んだ経営層から、会計業務をAI(ここでは機械学習をコアとする人工知能)で完全自動処理させる仕組みを作れ、というミッションを受けたとします。

...考えてみても、むりげーな気がしますね。色々なところで科学力の限界にぶち当たりそうです。

 

とりあえず、一番ルーチンっぽい「伝票を起こす(請求する・請求される)」から手を付けてみましょうか?。

ところが、この業務って完全にシステム化しにくいのです。

紙の請求書をなくすことは企業外部がかかわることなのでとても困難です。スキャンして機械学習で文字認識させるよりも、人の目で見たほうが早いですよね(現時点では)。

 

完全に人を機械に置き換える事は、現在の科学力では、まだまだ実現できない気がします。少なくともコストと労力に見合わない気がします。

 

マイクロソフトさんはおそらく、計上された利益(少なくとも一部は人力で集計)から、今期の予算の達成可能性を機械学習で予測し、達成しない可能性のある部門の今後の打ち手を人間が考える仕組みを実現しているのかもしれません。

これが会計業務の自動化の到達点かも(注:現時点における)。